同社の人気商品SCA-7511MK3

ではまず、製品全体に共通する特徴をお知らせいたします。

第一に、同社がSATRI回路と呼ぶ、真空管や増幅素子によらずに抵抗2本の比で増幅する回路です。

専門的にはなりますが、現代のオーディオアンプ回路は、電圧にて制御する方式が一般的です。これは、オペアンプなどのハイインピーダンス入力が容易になった背景により、比較的低電力で回路を構成できるメリットがありますが、弱点としては、回路内に存在する抵抗成分により、電圧降下が発生し、結果として入力された音声が変質してしまうというものがあります。(もちろんこれは高いレベルの話で、一般的に問題となるような大きなものではありません。)

そこでSATRI回路は、この問題を回避すべく、電流にて制御するよう構成されています。ご存知のように電流は、基本的に減衰することはありませんので、より高精度に、かつハイスピードで伝達します。

水でいっぱいに満たされたホースを想像してください。入力側から水を注ぐと、一瞬で出力されます。このようなことが内部では起きているのです。

第二に、電源電圧に左右されにくい回路の工夫です。

こちらも専門的な話ですが、増幅という動作は信号に応じて電源から電流を借りてくるという動作です。つまり電源が貧弱であったり、信号が急峻であったりすると一瞬遅れたり、動作が変わったりします。その事が歪みつまり音質の変化につながるのです。

特に、SATRI回路は電圧を電流に変換して動作させる為、電圧変動は直接動作に影響します。

そこで、電源電圧が大きく変化しても回路の動作に影響しない回路の開発に成功し、すべての製品に採用しております。

このことで、バイアス(電圧の基準点)が安定し、混変調歪が抑制されています。

第三に、素子感度を低くすることを目的とした回路構成です。

高精度な動作を追求しようとした場合、一般的には設計段階で使用した部品と同じものが必要になります。

別の部品に変更すると、動作点が変わったり、音質が変化したりします。

数点だけ製造する場合だと、特に問題なく部品供給できるのですが、販売期間が長くなるにつれ、部品の製造終了などにより同じ部品が入手できなくなります。こうなると設計変更または、生産終了を余儀なくされます。

これを防止するために、定数が同じであれば基本的にどのような部品を使っても動作が同じになるように設計することを、素子感度をさげる、と言います。このことで、恒久的に安定した品質の製品を供給することが可能になるのです。

バクーンプロダクツのオーディオ用メインアンプ(パワーアンプ)の多くは、基本的にボリューム1個しかありません。

従いまして、製品を機能的にグレードアップして新製品を発表するというより、内部を上記のように性能向上をさせたタイミングで新製品を発表しています。

さて、今回、同社のアウトレット製品を当店で販売することになった経緯ですが、既にオーディオアンプを販売して30年を経過した同社には、商品の改廃に伴い、多くのシャーシ(ケース)、トランス、基板などの在庫がありました。

そこで、最新の技術と回路方式を採用した最新モデルの基板を使用し、「現代のアンプ」としてリニューアルし、アウトレットとして販売しようということになったわけです。

上記のような経緯で発売いたしますので、いくつか注意点がございます。

〇パネルやシャーシは従来品を利用しておりますので、シールなどで表記を修正している部分がございます。

〇長期在庫品で構成されていますので、同一の性能でもケースが違っていたり、一部傷がある場合がございます。

〇価格的には、同社の通常製品の30%～50%程度ディスカウントされています。

〇在庫限りですので、それぞれ数点のみの売り切りの製品です。

以下、製品をアップするたびにリンクを貼りますので是非ご参照いただければ幸いです。

2018.10

Bakoon Products製品の販売を開始します